ヤングケアラーとは?

過度な家族のケアで
学校生活にも影響が出る子どもたち

「ヤングケアラー」とは家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケアを引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートを行っている18歳未満の子どものことです。

ケアをすることで子どもは多くのことを学び、得ることもたくさんあります。しかし過度のケアで学校を休む、宿題ができないといった学業面や健康面、友達との関係にも影響が出ていることが明らかになりました。

国が初めて実施した全国ヤングケアラー調査によると、公立中学校の2年生、公立の全日制高校の2年生の各クラスに、ヤングケアラーが1人から2人いることが分かりました。

画像引用:一般社団法人 日本ケアラー連盟

気づいて欲しい。あなたのそばのヤングケアラーに

「ヤングケアラー」・「若者ケアラー」の問題は家庭の中にあって、外からは見えにくいものと言われます。

「ケアラ一本人が、自分がケアラーであることに気付いていない」、「家庭の状況を人に知られたくない」なとが原因とされています。
必要な支援が子どもや若者に届くためにはまず、支援を必要としている子どもや若者を発見することが大切です。皆さんのそばにも、支援を必要としている子どもや若者がいるかもしれません。

〜私たちにできること〜

ヤングケアラーには支援が必要です

ヤングケアラーである子どもたちは、成長期のとても大事な時期にあります。若者ケアラーたちもまた、進学や就職といった人生の節目の時期を迎えています。
このような時期に、ケアラーである子どもや若者が健康面や生活面への多大な影響を受けることなく、また、ケアの負担を担うことのない他の子どもや若者と同じライフチャンスを持つことができるように、ヤングケアラー・若者ケアラーが必要としているニーズを適切に捉え、支援していく必要があります。そのためにも、周囲の大人が早期にケアラーを発見することが大切です。

ヤングケアラー体験談

ヤングケアラー体験談
神谷尚樹さん

大学1年生の時に10年間の僕の介護生活が終った

僕が小学校4年生の時、祖母が大腿骨を骨折。それ以来杖を欠かせない状態になった。6年生の時は、脳梗塞を起こし入院。退院後は認知症を発症し、そのころから祖母の家で過ごす毎日となった。

母とは生き別れ、父は仕事で不在がち、仕事で忙しい姉も介護ができる状況ではなく、自ずと自分が祖母の世話をするようになった。

年々認知症の症状は進み、物取られやご飯の催促、服薬忘れなど、ますます目が離せない状態となり、電話が頻繁にかかってくるようになった。中でも大学受験が迫った夜中の電話がつらかった。

大学1年生の時に自宅で転倒して施設に入所し、10年間の介護生活が終わった。入所後の祖母は穏やかな表情になり、施設で95歳の天寿を全うした。